TPPに参加するとどうなる?


環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)はモノやサービスの貿易自由化だけでなく、政府調達、貿易円滑化、競争政策など幅広い分野を対象として、物品の関税は例外なく10年以内にほぼ100%撤廃するのが原則。
協定を締結済みなのはシンガポール、ブルネイ、チリ、ニュージーランドの4カ国。
参加を表明しているのはアメリカ、オーストラリア、ベトナム、ペルー、マレーシア、コロンビアの5カ国。

日本とアメリカが参加した場合、参加国のGDPを比較すると90%以上を日米で占めます。
日米間で考えてみると、米国の非農産物の平均関税率は 3.3%と低く(電気・電子機器 1.7%、乗用車 2.5%など)TPP によって必ずしも対米輸出が増えるとは言えません。
米韓FTAの締結で韓国製品の価格競争力が高まり、日本の製造業の危機だといわれていましたが、電気・電子機器 1.7%、乗用車 2.5%の関税だったとは知りませんでした。
日本の農産物の平均関税率は11.7%と意外と低いのですが、米(778%)、小麦(252%)、牛肉(38.5%)、オレンジ(40%(季節により 20%))など高関税品目もあり、それらは非常に大きな影響を受けるのでしょう。

日本が参加した場合の影響を考える

プラス
・国内消費者は利益を受ける。
・品目、分野によりプラス・マイナスはあるが、全体としてGDPは増加※1。
・メッセージ効果で、国際的な信用および関心が高まる。
・米国市場で韓国と同等の競争条件が確保できる※2。

マイナス
・関税撤廃で農業への悪影響※3
(食料自給率の更なる低下で食料安全保障上、すごく危うい状況になる。)
(韓国と同程度の農業対策を行うと10年で27兆円必要。GDPが増加するという部分が吹っ飛ぶ・・・)
・外国企業の進出・投資規制や労働者の受け入れ制限が難しくなる。
・資格の共通化で技術者が流入、競争激化。安価な外国人労働者の流入、日本人雇用の減少。

業界別企業の反応

国内の反応として、日本経団連はTPPへの早期参加を求めており、アジア各国とも会談を行っています。
各業界の反応は以下のような感じです。

業界 自分の業界に必要ある 不参加は景気に悪影響がある
農林水産業 ×
金融業
建設業
不動産業
製造業
卸売業
小売業
運輸・倉庫業
サービス業
その他の業界

また、最も望ましい枠組みをFTA(自由貿易協定)と考えている企業がもっとも多く、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)、世界貿易機関(WTO)おける多国間協定、そしてEPA(TPP以外の経済連携協定)がそれに続いている。

企業の国際競争力を高めるための政策が、必要なのは間違いないところでしょう。

※1 実質GDP 0.48%~0.65%増(2.4 兆~3.2 兆円程度増)(川崎研一氏(内閣府経済社会総合研究所客員主任研究員)試算)

※2 日本がTPP、EUと中国とのEPAいずれも締結せず、韓国が米国・中国・EUとFTAを締結した場合、自動車、電気電子、機械産業の3業種について、 2020年に日本産品が米国・中国・EUで市場シェアを失うことによる関連産業を含めた影響試算)2020年の実質GDP 1.53%減(10.5 兆円程度減) この内 米国市場関連 1.88 兆円程度減 (経済産業省試算)

※3 農水省試算:農産物が年間4.1兆円程度生産額減少。340万人の雇用が失われ、食料自給率 14%程度に減少。環境面など多面的機能で3.7兆円程度喪失。GDPへの影響年間7.9兆円程度。

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